Output Note

思考や感情を明瞭に言語化するために。

「受動型アスペルガー」の存在を知る(対策編1)

前回書いた通り、自分には「受動型アスペっぽい」特徴・傾向がある。

 

yasuhiro008.hatenablog.com

自分が「受動型アスペルガー」かどうか、より正確には、仮に自分が精神科を受診したら「アスペルガー」と診断されるのか、それは正直どうでも良い。ただ、少なくとも自分にはそういう「傾向」がある。そうであるならば、これを改善して、より幸せな人生を送りたい。今日はそのための方向性を考える。

 

選択と集中

改善に当たり、まず何よりも大切だと思うのは、「改善すべき特徴」を選択し、その克服に集中することだと思う。受動型アスぺっぽい特徴を満遍なく克服しようとすると、それこそアスぺっぽい人が最も苦手とするマルチタスクになってしまう。

だから、まずは改善すべき特徴を絞り込む。自分の場合、まず克服したい傾向として、「自分から話すことが苦手」であることを挙げる。

 

自分から話すことが苦手

受動型アスぺは何においても受け身だから、会話では聞き役に回ることが多い。

勿論、会話の相手が一方的に話すタイプならこの問題は顕現化しないが、そんなことは滅多にあるものではなく、むしろ、何らかの発話をこちらも求められるのが普通だろう。

こういう場面で、自分に会話のパスが飛んできたとき、受動型アスぺっぽい人は、普通のアスぺルガーの人以上にストレスを感じるのではないか。なぜなら、受動型アスペルガーの人は、①会話が苦手というアスペルガー一般の特性に加えて、受動型アスペルガー特有の②心理的圧迫感と、③話題が限定的という問題を抱えているからだ。

 

①会話が苦手:受動型に限らず、アスペルガーっぽい人は、会話(一方的に話すor聞くのではなく、言葉をキャッチボールする本当の「会話」)が苦手だ。文脈に応じた曖昧な言葉や指示語の理解、多方向に展開される話題への臨機応変な対応、いずれもアスペルガーが苦手とするもので、会話の参加者が増えると難度は指数関数的に上がる。なにせ、耳で聞いた情報を長時間、大量に覚えておかねばならないのだから、あっという間に脳のワーキングメモリを消費してしまうのだ。

 

心理的圧迫感:受動型は周囲の空気を過剰に読むので、会話のパスが自分に飛んでくると、「気の利いたことを言わなければならない」というプレッシャーを強く感じてしまう。「場の空気を無視して話す」という一般的なアスペルガーのイメージと大きくかい離している部分だ。

 

③話題が限定的:自分なりの好みや価値観に対して無自覚だから、人に語れるような趣味や嗜好がない。同じ理由で、過去の思い出や世間の情報も、受け身で平板にのぺーっと捉えている(自分なりのフィルターやアンテナがない)から、ハイライトを当てて語ることができない。ここも、「自分の関心事項を一方的に話す」という一般的なアスペルガーのイメージと大きくかい離している。

 

要は、受動型アスぺの人は、ただでさえ会話がもともと苦手なのに、「場の空気を読んで気の利いたこと言わなきゃ」、「でも面白い話題もない」という、かなり厳しい状況に置かれる。で、結局大したこと言えないで、ストレスを感じる、という構造になっている。

 

自分の場合、事務職なので、仕事中はあまりこの手のストレスを感じない。もし営業職だったら大変なことになっていたかもしれないが。ただ、ランチのときだったり飲み会の席になったりすると、一気にこの欠点が頭をもたげてくる。

話題がないから会話に積極的に入っていけない、適当に相槌を打つことしかできない、ましてや場を盛り上げたりすることなんてできない。飲み会の後、なんとなく自己嫌悪感を抱いて帰る。これはじわじわと自分の自尊感情を蝕んでいく。

では、これをどう克服するか。それを考えたい。